2025伝統文化親子教室事業報告 令和7年8月17日

 文化庁伝統文化親子教室事業である煎茶道親子教室を、2025年7月19日より8月17日の期間、半田福祉文化会館瀧上工業雁宿ホールにて実施しました。「日常から非日常へ」をコンセプトに、計6回の講座(発表会を含む)を行いました。

 急須を使ってお茶を淹れたことのない子供たちがほとんどでしたので、身近なペットボトルのお茶から煎茶道の高みへと子供たちをいざないたいとの思いで講座を組み立てました。

 講座内容は、日によって違いはありますが、講座全体で以下の項目を行いました。

  • 煎茶道についてのお話と自己紹介
  • 和菓子製作の実演見学の後、和菓子と菓子銘についてのお話とクイズ
  • お茶についての知識、歴史、覚えておきたい人物などの講義
  • 日本茶の種類についての説明と茶歌舞伎(お茶の飲み比べゲーム)
  • 和室での所作「歩き方・正座の仕方・立ち方座り方・お辞儀の仕方など」
  • 煎茶道で使う主な道具の名称の説明とゲーム
  • 煎茶大盆の模範点前披露
  • 和菓子の食べ方とお茶のいただき方
  • 割り稽古
  • 点前座に座って、お点前の実習

 毎回、割り稽古に丁寧に時間をかけたおかげで、後半の点前座でのお点前は、少しのアドバイスで、上手におこなうことができました。しびれが切れる前に終わることが出来たようです(笑)

 和室での所作は、身近であるにもかかわらず、実は知らないことばかりだったと、保護者の方々にも好評でした。

 和菓子実演では、餡玉からあっという間に菊の花が出来上がるのを見て「すごい」「初めて見た」など盛り上がりました。その後の大盆お点前模範披露では出来立ての練りきりをいとおしそうに食べていました。また、鮎の泳いでいる錦玉羹では「何の魚かな?」と話が弾み、お菓子銘を聞き、残暑厳しい中にも涼しさを感じようとする日本人の心に皆うなずいていました。そして金魚の泳いでいる錦玉羹、ういろう製の芙蓉の花など季節を感じることができると和菓子の楽しみ方が分かったそうで、皆嬉しそうでした。まず目で見て楽しみ、お菓子銘を聞いて季節を感じ、最後においしく食べるという、毎回、興味深いゆったりとした時間を皆さん楽しんでいたようです。

 お茶も「いつも飲んでるお茶よりおいしい」という声がありました。今回は佐賀県の嬉野茶(釜炒り茶)を使用しました。「良質の茶葉を急須で丁寧に淹れたお茶は、奥の深いおいしさがありますね。」と説明すると、「ペットボトルのお茶と全然違うね。」という声も多数聞かれました。これをきっかけに、渇きを癒すだけではない急須でお茶を淹れるおもてなしの文化、ひいては煎茶道に興味をもってくれることを願っています。

 難しいことをやさしく、愉快に深く学んでもらうことを目標に講座を行いましたが、子供たちが約2時間集中を切らすことなく、積極的に学ぶ姿勢を頼もしく思いました。ねだって急須を買ってもらった子もいました。ハイタッチしてくれて帰っていった中学生もいました。楽しく学んでもらえたのだと実感でき、教える側の私たちもうれしく思いました。

 グローバルな時代を生きていく子供たちが、日本の伝統文化の1つである煎茶道を通して、日本人としてのアイデンティティーを育んでもらいたいと思っています。

 煎茶道を通して、子供たちに日本の伝統文化を伝えるという貴重な機会を与えてくださった売茶流に心より深く感謝申し上げます。

 知多地区  岩立史仙窟