第34回賣茶流名古屋地区総会 令和7年6月29日
梅雨明け近い厳しい暑さの中、宗匠及び名古屋地区幹部の皆様に加え地区メンバー、近隣地区の幹部の皆様のご列席の下、浄元寺に於いて第34回名古屋地区総会が開催されました。
総会では、皆様のご協力で事業報告、会計報告など議案報告・審議は滞りなく終了。引き続き参加者の皆様には、加藤隆士氏(日本ランドスケープアーキテクト連盟理事)による「なるほど!日本庭園~日本庭園の楽しみ方~」と題したご講演、「乞巧奠(きっこうでん)」をテーマにした煎茶席をお楽しみいただきました。煎茶席はNHK文化センターメンバーが担当いたしました。
加藤氏による日本庭園の楽しみ方に関わるご講演は、日本庭園という時代背景を反映した「芸術品」はどのようなニーズから作られ、どのように鑑賞すべきか、という楽しみ方のポイントが示唆されたもの。実際の庭園の構造を、時代を追いながら観察し、古代からの神が宿り、神仙思想が反映される時代から戦いの時代まで続く精神性のある庭、そして戦いの時代が終わり現代に至る精神性が薄く、人が楽しむ庭へと、庭づくりが何をニーズにして変化していったかが具体的に語られました。これまで漫然と「美しい庭」としてだけ眺めていた庭が、ひとたび時代のニーズという鑑賞ポイントを理解して眺めることにより、新たな作庭家の意図が見えるようになり、有名な庭にも更なる奥深さがあることが分かった大変貴重な時間となりました。
続く煎茶席では七夕にちなんで、佐藤リーダー発案の「乞巧奠」をテーマに、冷煎を提供する席作りをさせていただきました。乞巧奠とは、牽牛と織姫の2つの星に女児の裁縫技芸の向上を願う中国の行事で、七夕の原型とも言われているものです。今でも冷泉家では、2つの星にお供えをして和歌を詠むなど伝統行事が行われ、陰陽五行説に則った5色(青・赤・黄・白・黒)の飾り付けを行うならわしがあるとの事です。これら乞巧奠の由来、伝統行事などを念頭に、いつも一緒にお稽古をしている先輩方と、手持ちの新旧取り交ぜた茶器や、色鮮やかな飾りを持ち寄り、天の川と星をイメージしたお菓子を選び、寄付から茶席に至るまでの室礼をワイワイ楽しく検討し、ワンチームで席作りを行いました。チームでの席づくりは誰にとっても初めての経験で、至らぬ点は多々あったかと思いますが、宗匠や田畑顧問には「皆で寄せ集めた道具なのに統一感がある」とご評価をいただき、またお茶席に入られた皆様にも「とてもテーマに合った室礼だった」などとお声掛けをいただくことができました。お客様に楽しんでいただける席になったのではないかと思います。
今回このように「茶席の室礼を自分たちで考案する」という貴重な研鑽の場を通して、お茶を美味しく淹れるだけではなく、お客様に喜んでいただける席づくりをすることが「煎茶道の醍醐味」ではないかと、未熟ながらも感じる事が出来る良い機会となりました。
ご講演や、煎茶席の準備・運営を通して、改めて日本文化の素晴しさを知ることが出来ました。このような機会を与えていただいたことに感謝申し上げると共に、活動を通してご指導をいただきました諸先輩方に篤く御礼を申し上げます。
名古屋地区 NHK文化センター 吉田浩之






